夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】

ヴァロンに逢えない寂しさも、
ユイが居てくれるから乗り越えられた。


この子が傍にいなくなったら、
例え薬で痛みが和らいでも…
余生を生きる意味なんてあるんだろうか……。


想像しただけで、
涙が堪え切れなくて頰を伝ってしまった。

産まれたらすぐに引き渡す。

自分で決めた事なのに、
今更離れたくないなんて…。
自分勝手過ぎて嫌になる。


そんな…。
涙の止まらない私の手を側にいた奥さんが握ってくれて、優しく背中をさすってくれた。


「…先生、
リディアさんの意志を尊重しましょう。
……大丈夫。大丈夫ですよ。」

奥さんの落ち着いた言葉。

”大丈夫”…。
優しい言葉に、励まされた。


自分勝手な私を、先生と奥さんは…。
二人は最期まで見守ってくれる。

……
………。
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