夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】

「……。
過去、だろ?アカリには関係ねぇじゃん。」

俺は床に落とした鞄をもう一度持ち上げようとすると、
その手首をシュウに掴まれた。


「このまま何も話さず、
アカリさんと夫婦ごっこをやっていくんですか?」

「……離せ。」

シュウの手が、
すごい力で俺を離さない。

シュウは元々、
夢の配達人の白金バッジ候補だった。
俺よりも早く昇格すると、
誰もが認めた実力者。
訳あってマスター補佐に今は収まっているが、
本気でやりあったら…無事じゃすまない位の相手。


「…そんな結婚なら、
私は認めなければ良かった。
あの時無理矢理にでも、
アカリさんと引き放せば良かったッ…。」

「シュウ…。
本気で…怒るぞ……。」

掴まれている手に力を込めて、
俺とシュウは睨み合う様に見つめ合う。
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