夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】

「私は見たくないんですよ。
ヴァロンが崩れていくのを…。
あんな風に優しく微笑む君じゃなくてッ…!
我が儘で自由だった…君を、私はっ……。
……っ!」

シュウが顔を背けて、
俺の手首をゆっくり…離した。


「……。
すみません…。先に、帰って下さい。
……。また、明日…隠れ家で。」

シュウはそう言うと…部屋から出て行った。


「……。
んだよっ…アイツ。意味分んねぇ…。」

俺は鞄を持つと部屋を出て、
宿屋をチェックアウトすると駅に向かった。


本当は分かってた。
シュウの言いたい事。

アイツは今、
幸せだと自分に言い聞かせて生きてる俺に気付いてる。
アカリの前で嘘を付いて微笑ってる俺が…。
我慢してる俺が…。
堪らなく嫌なんだ。


「っ……てぇッ。
俺だって…分かってるよ……。」

シュウに力一杯握られた手首が赤い。
初めてアイツが、俺を傷付けた。
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