夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】
【6月11日/ヴァロンの任務先宿屋】

心配して駆け付けると、
ヴァロンは警戒心が薄れる程に調子を崩していた。
用心深い彼が、
ここまで追い詰められている事。

私は、嫌だと思った。


「……シュウ。
いつも…ありがと、な……。」

「!……え?」

「…いつも、ありがと……。」

今にも眠ってしまいそうなヴァロンを支えながら、
私は彼の雨に濡れた髪を拭いてやった。
気持ち良さそうに表情を和らげるヴァロン。


私に甘えている彼を見て、
嬉しいと思いながら…。

同時にヴァロンにとって、
私はリディアやアカリさんとは違うんだと…。
思い知らされた。
< 79 / 497 >

この作品をシェア

pagetop