夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】
「……今日だけ、特別。
もう言わねぇ…かもな……。……。」
ヴァロンがすぅ…と眠って、
私の腕の中にコテンッと子供の様に倒れ込む。
「……馬鹿、ですね。
全然、嬉しくないですよ…。」
私は彼の寝顔を見つめて呟くと、
ポケットから液体の薬を取り出す。
「……。
薬、飲んで下さい。」
私は自分の口に薬を含むと、
ヴァロンに口付けて…薬を飲ませた。
熱い唇と口内。
許されるなら、
ずっと触れていたいとさえ…思った。
……。
けど、現実は残酷だ。
「んっ……。
…アカ…リ……。」
愛おしい人が呼ぶのは、
私の名前ではない。
「……。
好きですよ、ヴァロン。」
叶わないと知りながら、消せない気持ち。
ずっとずっと、想っていた。
いつ好きになったか、分からないくらい…。