夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】
「……。」
ヴァロンは私の問いかけには答えずに、
そのまま正面に立って構えた。
本当に態度が悪い。
けど、
リディアの教え方が余程上手かったのか…。
私の目の前で構えるヴァロンの姿は、
その小さい身体に似合わず隙がない。
「……いくよッ!」
私の掛け声で、
ヴァロンとの約束組手が始まった。
その瞬間、分かった。
ヴァロンの計り知れない才能が。
ただリディアの教え方が上手いだけじゃ、
数日間でここまで彼が動ける筈がない。
胸が熱くなって、ワクワクした。
今まで同世代相手には決して感じなかった興奮。
さっきまではただの生意気だと感じた瞳が、
鳥肌が立つ位に鋭い眼差しで射抜いてくる。