スーパー丸尾ブラザーズ
ここからはどうでもいいんだけど、家に帰ると玄関に名菜の紙ねんどが飾ってあったんだ。

こんなの作っていたことは知っていたけど、はじめてまともに見たそれは、一言で言うと気持ち悪い。


「おい、郁。お前のだけなんで腕取れてんだよ」

「知らねーし。お供え物なんだって。紛失されている祥平よりはましだわ」


お供え物!?腕のことなのか?あいつの頭の中はどんなことになっているんだ。


俺の人形も千と千尋に出てくるアイツみたいな顔をしているけど、これはまだましだったのか。


家の中に入り日常の空気を吸うと、今朝、衣里を抱きしめたことが急に恥ずかしくなった。

そこに置いてあった消臭スプレーを、さっと体にふきつける。


郁がちらっとこっちを見たが、何も言わずに黙ってゲームをしていた。

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