スーパー丸尾ブラザーズ
「歌の練習の前に、ちょっといいかな」

指揮台に登った俺はみんなの顔を見渡す。


「さっき練習してたクラスの合唱、みんな聴いた?

あれ、2年生のクラスだったよね。すっごくまとまってる感じしなかった?


俺も含めてだけど、クラス全体が今のままじゃまずいって思ったんだ。真剣味が足りないっていうかさ。


曲も難しいけど、この曲を選んだのは俺らだよ。

3年生最後のコンクール、悔いだけは残らないようにしようよ」


担任の先生が頷いてくれた。

工藤や他の男子達もスイッチが入り、


「そうだよな、どうせなら優勝狙いでいこうぜ!」

と盛り上げてくれた。


ふとピアノの椅子に腰掛けている怜香の方を見る。

「いっくん、たまにはいいこと言うじゃん」

って言ってくれた。

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