スーパー丸尾ブラザーズ
プレゼントだけはお互いを想って買ったものだから、それはそのまま交換したんだ。

衣里からはネイビーのマフラーをもらった。


カフェを出てからはどこにも行かずに、帰りの電車も別々に乗る。

衣里が電車の中で鼻をすすっている音だけ聞こえていた。


二人で駅を降りて、それぞれ同じ方向に歩く。まだ5時頃だけど、陽はもうすっかり沈み、暗くなっていた。


「史弥くん、最後に神社寄ってみない?」

急に衣里に話しかけられた。


神社の階段は中途半端に除雪がされていた。多分4丁目の人たちがやったんだろう。


いつも登る階段だけど、外が暗いせいか、雪景色のせいか、初めて来た場所のように思えた。

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