スーパー丸尾ブラザーズ
クリスマスのごちそうもほとんど片づいて、俺は母さんの後片付けを手伝っていた。


兄ちゃんはなんだかんだいって、失恋のショックがまだ残っているんだろう。

疲れたって言って、風呂も入らずに部屋で寝てしまった。

祥平と名菜は二人でゲームしている。


「郁、ありがとね。片付けはもういいから、たまにはお父さんの相手してあげて」

「そうだ、郁、付き合えよ。ほら、ジンジャーエールまだ残ってるぞ」


父さん酔っ払ってるからな。熱く語るタイプだからちょっとめんどくさいんだけど、たまには付き合ってやるよ。


自分でグラスにジンジャーエールを注いだ。


「父さんの将来の夢はな、お前たちと一緒に酒を飲むことなんだよ」


はいはい。何度も聞きました。


「うちの子供達は、本当にできた子供達だ。

お父さんとお母さんの血だから、当然なんだけどな。

ほら、郁、日本酒くれ」
 

「自分でやってよ、もう」


それでも父さんのおちょこに日本酒を注いでやる。

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