スーパー丸尾ブラザーズ
「うちは昔から共働きだからな。

土日も仕事があるし、母さんも父さんもなかなかお前たちに構ってあげられなかったんだけどな。

父さんも家の中にはいなかったけど、史弥も郁も、頑張って家のことをやってくれていたのは、祥平や名菜を見てればわかるんだ」


ちらっとゲームをしている二人を見た。


「郁は知らないと思うけど、実は名菜は、小学校に上がるときに、学校からことばの教室に通うように勧められていたんだ」


初めて聞いた。今から二年前の話だ。

名菜は幼稚園の時、話す能力や言葉を発するときの発音の仕方が、同い年の子供達より少し遅れていたらしい。

今でも舌っ足らずな話し方は、その時の名残なんだろうか。


「結局ことばの教室は断ったんだけどな。

名菜は早生まれだから、周りの子より成長が遅いだけだと思ったんだ。


小さい頃って一年違うだけでも、差がでるからな。

名菜もそのうち、他のみんなにも追いつくだろうと思っていたんだ」

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