スーパー丸尾ブラザーズ
父さんからそういう話を聞いただけでは、すぐに兄ちゃんに頼ろうとは思わなかった。

ただ、兄ちゃんに対する意識は変わった。

今までみたいな欠点のない人間とは思わなくなった。


ちょっと笑っちゃったんだ。弟に対抗意識を燃やしてる姿を想像すると、なんだか兄ちゃんが情けなく思えてきて。


父さんは兄ちゃんのことを、感情的でもろいって言ってたけど、あいつは確かにそうなんだよ。

それを父さんの口から聞けたことも、なぜか知らないけど嬉しくなった。


だから一晩考えて決めたんだ。


俺は西条高校を受験する。


兄ちゃんがいるからではない。俺が西条を目指したいから。


今まで少し消極的だったんだけど、高校に入ってからは部活とかも考えて見ようかなって思う。


そしてもう一つ決断したことがある。

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