スーパー丸尾ブラザーズ
「あー、楽しかったー!お腹すいたね、いっくん。うちは今日の晩ごはん何かなー」

「俺んちは多分手抜き料理。昨日ごちそう食べてるから」


「忘れてたね、今日もクリスマスだったんだ」

「受験生にはちょっと似合わないよね」


受験っていう現実を知らせる単語に、なぜだか沈黙しちゃって、ただ家まで二人で並んで歩いていた。


途中で怜香の指先が俺の指先に触れる。そのまま怜香は、俺の人差し指と中指をそっと握った。


胸が切ない音で、とくんってなった。

だけど怜香の手を握り返すことはしなかった。


そう。俺が決断したのは、怜香からも卒業することだから。

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