スーパー丸尾ブラザーズ
「……ねえ、怜香。俺、怜香のこと好きだったよ。多分中学校に入学したあたりからずっと」


「……うん」


指先を繋いだまま歩く。怜香との時間は家に着くまでの間だ。


「……過去形、なんだよね?」


「うん、過去形」


「私がこれから、いっくんを好きになる可能性があっても……?」


「そうだよ」


もう決めたことなんだ。

そりゃ学校が違っても同じ町内に住んでいるんだから、怜香と会うことはこれからもある。

別に付き合うことになっても、何も問題はないんだ。


それでも俺が、怜香からの卒業を決断した理由は……

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