スーパー丸尾ブラザーズ

―郁の春―

「学級委員長に立候補する人はいますか」

さすがに受験生である今年は勘弁してほしいなと、ちょっとだけ思った。


そもそもなんで毎年俺が委員長をやっているんだろう。やっぱり丸尾っていう名字だからかな。


「それでは学級委員長に推薦したい人はいますか」


元々俺は委員長って柄ではない。成績は悪くないけど、兄ちゃんみたいにしっかりしているわけじゃないし、祥平みたいにムードメーカーでもないし。


「僕は丸尾くんを推薦します」


だけど毎年、少なからず不満がありながらも委員長をやるのは、名菜が喜んでくれているからっていうのも一つの理由なんだろな。


「私も丸尾くんを推薦します」


今年もすでに兄ちゃんと祥平が委員長に決まり、名菜が大はしゃぎしていた。

名菜もなんでそこまで委員長にこだわるのかは知らないけど。


「他に推薦したい人はいますか」


……。


「それでは丸尾くんはどうですか」


「……わかりました、やります」


「それでは学級委員長は丸尾くんに決定します。丸尾くん、ここからの委員決めの進行をお願いします」


ほら、結局いつものパターン。

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