スーパー丸尾ブラザーズ
お風呂からあがると、兄ちゃんが俺を待っていた。

「郁、悪いな。せっかくの土曜に名菜の面倒押し付けちゃって」

「兄ちゃん部活でしょ?別に俺は気にしてないけど」

「お前、高校入ってからも部活とかはしないのか?」

「……しないと思う」


……ムカつく。

兄ちゃんが俺に言いたいことはわかるんだ。


週に一度の母さんの夜勤の日は、俺が晩ごはんの支度をしているんだ。

兄ちゃんは晩ごはんの支度は部活があってできないからって、朝ごはんの方を担当している。

長男でありながらも自分だけやりたいことやっているってことが、多分兄ちゃん自身、気になっているんだと思う。


別に俺は興味がある部活なんてないし、晩ごはんの支度だって苦ではないからそれは全然いいんだけど。

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