スーパー丸尾ブラザーズ
心も体も大人になっていくのには、個人差というものがあるんだって。

だから早く大人になる人もいるし、ゆっくりの人もいる。

オレは多分ゆっくりな方。


背だって低いし、恥ずかしいから学校で言ったことないけど、今だって特撮ヒーローが大好き。

友達の前では、ださいって言ってるけど毎週名菜と一緒に欠かさず見てる。

ふみ兄やいく兄が5年生の時は、少なくとも特撮なんてもう見てなかったと思う。


オレは5年生になっても子供のままだから、委員長に推薦されなかったのかな。


「ちい兄見つけた!タイフーンキック!」


名菜はこうして突然現れては必殺技を繰り出す。

「いてっ、やったな!くらえ、エメラルド光線だ!ビビビビビビ……」

「ぐわああ!タイフーンレンジャーめ…!覚えてろよ!次は絶対に町を征服するのだ!」


バタッと迫真の演技を見せて名菜が倒れる。なぜか最終的に名菜は、いつも悪役になっているんだ。


こいつもあと2年経てばブラジャーとかつけるのかな。信じられない。でも名菜の場合は一生子供でもおかしくないや。

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