スーパー丸尾ブラザーズ
オレは星川のことが好きだけど、それが知られるのは恥ずかしいからいないって言った。

「祥平はモテるのにもったいないよ」

「だってほんとにいないもん」


クラスの中にはカップルも一組いる。最初はまだ5年生なのにって思ったけど、それも個人差で、この2人は早く大人になったやつらなのかなって思った。


「風馬は好きなやついるの?」


「……絶対に誰にも、圭佑にも言うなよ。

オレさ、星川が好きなんだ」


なんだか胸がちくっとした。風馬も星川を好きなんて。


星川のブラジャーは確かめることができないって言ってたけど、好きだからだったんだ。


「星川と付き合いたいって思ってるの?」

「いや、わかんねえや」


今ならオレも星川が好きって言っても遅くないかもしれない。

でも、言えない。

心臓がどくんどくんて早くなっていく。早く学校に着け。


「何でオレに教えてくれたの?」

「祥平きのう、星川のこと興味ないって言っただろ」


だってあの時は風馬が星川を好きだなんて思わなかったから。

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