スーパー丸尾ブラザーズ
教室に着いたら、星川とその周りの女子達が声をかけてくれた。

「祥平、風馬、おはよー」

「おはよー」


なんとなく星川の目を見れなくて、他の女子の方を見て挨拶を返した。風馬はきちんと星川の方を見ていた。あいつは星川の前でも緊張しないのかな。


自分の机にランドセルを置いて、教科書を机の中にしまう。

星川はオレの隣の席の女子のところに来てたんだ。


「今日の体育、短距離走だよ。

祥平、2年生の時クラスで一番だったよね。ねえ、今も速いの?」


星川、そんなこと覚えていてくれたんだ。

「当たり前じゃん!オレ、タイフーンダッシュできるもん」


あ、やべ。照れ隠しで冗談なんていったら、ついついタイフーンレンジャーの話をしちゃった。


「いや、うち妹がタイフーンレンジャー見てて」

慌ててフォローする。


「あたしの家でもタイフーンレンジャー見てるよ。2年生の弟いるから」


星川が言った。
危なかった……セーフだ。

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