スーパー丸尾ブラザーズ
「大人になる途中の人たちは、たくさんの悩み事があるんだよ。

お兄ちゃん達は学級委員長でとても心が強いから、悩み事があっても名菜ちゃんに話したりはしないかもしれないね。

でもお兄ちゃん達の元気がなかったら、名菜ちゃんがお助けマンになってあげてね」


「うん、わかったよ」


松川さんはぼけているから、子供のわたしにたまにこうやって難しいことを言うんだけど、わたしは3年生になってかしこくなったので、松川さんの言うことが理解できました。


お兄ちゃん達が悩んでいたら、わたしが相談に乗ってあげることです。


『たいよう』にもたまに田中さんっていう、おばあちゃん達の相談を聞いてくれる人が来ます。

そういう人たちのことは確か、心理カウンターって感じの名前でした。

カウンターは戦いの反撃のことだと思っていたのに、相談を聞く人のこともカウンターっていうのは変だと思います。


「わたしが田中さんみたいになればいいんだよね?」


「そうだね。お兄ちゃん達が名菜ちゃんに相談したらちゃんとお話を聞いてあげてね。

だけどお兄ちゃん達は悩み事を話したくないこともあるから、そういう時は何も聞かないで優しくしてあげるんだよ」


松川さんのぼけは順調に進んでいるようです。

またわたしにはよくわからないことを言いました。

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