スーパー丸尾ブラザーズ
学校についてからは少し憂鬱だった。

この日は放課後に学級委員長会議があったのだ。

会議には副委員長の亜季と二人で出席しないとならない。

それは別にいいが、問題はその会議が終わってからで、亜季に捕まる前に部活に行かなくてはならない。


昨日の夜、亜季からラインが来ていた。こうやって亜季は別れたあとも、未だに連絡を寄こしてくる。


『明日、会議が終わってから大切な話をしたい』


こうした重たい内容のラインは今に始まったことではない。事あるごとに、亜季は俺に復縁を持ちかける。

何度も「もう付き合えないよ」と断ってはいるけど「悪いところは直すから」と言われ、最終的には泣かれてしまう。


「付き合えないなんて最初から言わないで。

1%でも可能性を残してくれないと、私はこれから何を支えに生きていけばいいの……?

過去に史弥が私を好きだった事実があるから、ここまで頑張っているんだよ」


泣きながら訴える亜季。俺と別れてからは情緒も不安定になっているみたいだ。


俺の気持ちはもう冷めているし、亜季だって大げさに演じている部分もあるが、亜季の苦しい想いだけは痛いほど伝わってくる。

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