スーパー丸尾ブラザーズ
具合が悪くなったと言って部活を休んだ。

まっすぐ家に帰ると、リビングでゲームをしていた郁と名菜が迎えてくれた。


「あれ、おかえり。今日早いね」

「ちょっと具合悪くて帰ってきた」

「食欲あんの?おかゆ作ろっか」

「いや、弁当は食べたから」


空の弁当箱を郁に渡して、二階に上がった。

制服のままベッドに横になると、名菜が部屋に入ってきた。

「ふみ兄、風邪?」

「少しね」

「熱は?」

「熱はないから大丈夫だよ」


名菜がベッドの側に来て、俺の顔の近くの床に座りこんだ。そして小さな手で俺の頭を撫でてくれた。


「1年生のときにわたしが風邪引いたとき、ふみ兄がわたしの頭をこうやって撫でてくれたんだよ。

だからその時のお返し。ふみ兄もきっとすぐ治るよ」


一人になりたかったけど、もう少し名菜に甘えてみるのも悪くないって思った。


ほんとにかわいい妹だ。


「……あっ、マリオカート途中だったんだ!

具合悪くなったらいく兄におかゆ作ってもらってね!」


3分も経たないうちに名菜は部屋を出ていった。


……こいつめ。

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