俺様女装生徒会長と毒舌会計がいる日常
「おまえはそれで、楽しいのか?」
しかし、彼は急に真面目な顔をしたかと思うと、そう問いかけてきました。
楽しい? そんなこと。
「そんなことあなたには関係ありません。わたしの人生です」
きっぱり言い切ってやりました。
だってこれはわたしの生き方。他のだれにも口だしされたくありません。
たとえ楽しくないとしてもだれもわたしの人生を変えることはできないのです。
それでいいのです。いままだってそうだったから。
「関係なくはない。なぜなら俺はこの学校の生徒会長だからだ」
俺?
「楽しくない学校生活を送っている者が一人でもいるなんて、俺が生徒会長である限り許されない」
まったく、面倒な生徒会長です。
「小鳥」
「はい」
あ、返事してしまった。
「おまえは俺の真実の姿を見てしまった。よって、今日からうちの生徒会書記に任命する」
「嫌です」
「異論は認めんぞ!」
「嫌です」
それでもがみがみうるさい目の前の彼に、これは面倒なことに巻き込まれた、となぜか他人事のように思っていました。
いえ、もしかしたらもっと最初から巻き込まれていたのかもしれません。
わたしが女子トイレに足を運んだときから。
もしくはこの学校に入学したときから、かも。