俺様女装生徒会長と毒舌会計がいる日常
「こんにちは」
挨拶だけはしておきます。礼儀だけは忘れません。
「小鳥さんは本当に読書家ですね。私も見習いたいものですわ」
「どうぞご勝手に」
教室のざわつきが耳に直接流れ込んできました。
――生徒会長にあの態度って、せっかく声をかけてくださっているというのに、うらやましいわ。
……いいたいことは面と向かっていってほしいものですね。
「それはそうとこの前の話、考えてくださいました?」
「食器のことですか」
「ええ、その件です」
あまりにしつこいので本から顔をあげると、綺麗な笑顔がそこにはありました。
まったく、顔だけは文句無しの美しさだから困ります。