好きだと思うんですがっ!?

周りの視線がとても痛くて、あたしはこのままこの電車に轢かれてしまいたいと思った。


あれは全て、夢だったんだ……。


それも死にたいと思う要因のひとつ。

だってあんな夢を見るなんて、それって完全にあたしの深層心理じゃん。

い、いやいや。あんな状況を欲してる訳じゃないけど!

だってあれじゃ私が欲求不満みたいじゃないか。


色んな羞恥心から、あたしは両手で顔を覆う。


できる事なら今すぐにでも駆け出して、この電車から飛び降りたい。

しかし無情な事に、電車はまだ次の駅を目指してガタンゴトンと駆けている最中だ。


「浮田……どんな夢見てたんだよ」


恥ずかしい奴だな、なんて言いながら、まだ笑いが止まらない星野くんの肩は揺れている。


「お願いだから、聞かないで」


今はもう、そっとしておいて。


< 116 / 189 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop