好きだと思うんですがっ!?
“ナンテ?”
ちょっと電車を追いかけながら、あたしは再び聞いた。
けど、星野くんが小さくため息ついたのがみて取れて、その後は首の後ろを掻きながら笑った。
その笑顔は、あたしの胸に爪を立てた。
だって、とても悲しそうに見えたから。
……どーいう事?
再び口を開こうとしたあたしに、星野くんは口パクを送る。
“ジョ・ウ・ダ・ン・ダ・!”
そう言って手を振った。
……なにが? なにが冗談なの?
この一連の流れが冗談?
ってかどーいう冗談なのかも教えて欲しいんだけど。
何だかよくわからないけど、あたしも手を振り返そうとしたけど、間に合わなかった。
電車は一気に加速して、星野くんを連れて行ってしまったから。
何がしたかったのかがよくわからないまま、星野くんの立てた爪痕が今もあたしの胸の中で疼いていた。