好きだと思うんですがっ!?
「ねぇ、古柳くん」
「なに?」
古柳くんは相変わらずあたしの手を引きながら、顔だけ振り返る。
向かい来る凍てつく風も爽やかなものに変えてくれるような微笑みを向けられると、ドキッと心臓が跳ねそうになるのを色々勘違いしそうになるから困ったものだ。
「古柳くんは意外とプレイボーイなんだね」
勘違いしてないよ、という意思の表れもあって、あたしはそう言ったつもりなんだけど、当人の古柳くんは目をまん丸に開いて立ち止まった。
「俺がプレイボーイ? それ、だいぶと人聞き悪いね」
「でも、そうでしょ? ほらこれだってそうじゃん」
繋がれた手を少し持ち上げる。
そこに落とした視線を、古柳くんは再び持ち上げてあたしと向き合った。
「俺、誰とでもこんな事しないけど」
「えっ? でもさ……」
それならこれはなに?
今度はあたしが繋がれた手に視線を落とす番だった。