好きだと思うんですがっ!?

授業中、いつもは何気なく教室内に視線を配ると、決まって星野くんと目が合う。

だけど、今日だけは一度も合わなかった。


“ウキタ マイコ!”

“アホ面”

“ちゃんと前見ろ、バーカ”


いつもならこんな風に口パクで話しかけてくるのに。


休み時間になっても星野はあたしのところにはやって来ない。

それどころか、星野くんの席にやって来たのは女バスの木田さんって子。

その子が来ると、星野くんは廊下へと移動した。


まるで、二人の空間を邪魔されないようにしてるみたい。




ねぇ、星野くん。星野くんは、あたしの事が好きだったんじゃないの?

あたしはずっと、勘違いしてたの?




そんな風に思った時、顔から火が出そうなほど恥ずかしくなった。


あれって、全部違ったの?

でもさ、やたらとあたしの事見てたでしょ?

やたらあたしと絡んで来てたでしょ?

時々嬉しそうにしたり、顔を赤くしてたでしょ?

デートにだって、誘ってくれたじゃん。



やっぱり君は、あたしの事が好きだったんでしょ?



ーーあたしは、君の事を好きになってしまったというのに……。



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