好きだと思うんですがっ!?
「今日、部活出る?」
「うーん、分かんない。考え中」
「そっか。もし出るのなら今日一緒に帰らない?」
思わず言葉に詰まった。だってあたしは、部活出るのなら帰りは星野くんと一緒がいい。
けど、それは叶いそうにない。
あたしは扉の向こう側にある廊下に目を向けた。
星野くん達の姿は確認できないけど、あたしはそこをじっと見つめながら、気がつけば首を縦に振っていた。
「わわわっ!」
突然あたしの視界が砂嵐の中にでもいるような状況に陥った。
視界が不鮮明になった理由はすぐにわかった。
「古柳くん、なにすんの⁉︎」
さっきは優しくあたしの毛先に触れては手を引っ込めたばかりだというのに、今度はあたしの頭が手荒く扱われている。
髪をぐしゃぐしゃにされて、前がよく見えない。
さっき、あたしの反応を見て空気読んでくれたのだとばかり思っていたのに……。
古柳くんは読めない奴だ。
「あははっ、髪の毛がサラッサラッだからすぐに戻っちゃうね」
あたしの髪を乱した相手が、今度はあたしの髪を手櫛で解いている。
「あははっ、ごめんごめん」
乱れ髪の先にはふくれっ面なあたしの顔が出てきた事だろう。
その顔を見て、古柳くんは再び笑ってる。