好きだと思うんですがっ!?
想い
次の日、あたしは重だるい体を引きずるようにして登校した。
理由は昨日、古柳くんとの事を色々考えてたせいでなかなか寝付けなかったから。
一時間目の授業ってなんだっけ? 寝れるかな?
なんて、邪な事を考えてたあたしに向かって、突撃する勢いでやって来たのは、同じ部活仲間の真実。
「おはよう真依子。ちょっと聞いたよ、真依子とうとう彼氏出来たって本当⁈」
「……はぁ⁉︎」
真実のこの一言にあたしの重い瞼は一気に見開いた。
「噂になってるよ〜。急にダイエットとか言い出したのはその為だった訳?」
真実はからかうようにあたしの脇腹を突いた。
いや、待って。
待って、待ってよ。
「ちょっ、あたしが誰と噂になってるって?」
「サッカー部の古柳くんとに決まってるじゃない。昨日一緒に帰ってたんでしょ?」
「帰ったけど。でも、付き合ってないから!」
「えっ、じゃあガセネタ? 駅で抱き合ってたって聞いたけど?」
「それは……ってか、誰から聞いたの?」
「えー、元が誰かは知らないけど、あたしはクラスメイトの子だよ」
ヤバい。あの時周りなんてよく見てなかったけど、見られてたんだ。
「とにかく、違うから! 付き合ってないから」
あたしはそう言って、教室向かって駆け出した。