好きだと思うんですがっ!?
ひとつだけ気になって、少し経ってからあたしは、教室内に視線を泳がせる。
泳がせた先にいるのはーー星野くん。
この噂話、彼の耳にも届いたのだろうか?
いいや、きっと届いてるに違いない。
あたしだって星野くんと木田さんの事を耳にしたくらいだから、きっと今回の事も彼の耳に届いているハズだ。
そう思ってもう一度彼に視線を送ってみるけど、星野くんは一度もこちらを見ようとはせず、ずっとスマホをいじってるだけ。
……ねぇ、星野くん。
星野くんはあたしのこと、好きじゃなかったの?
もうあたしのことは、好きじゃないの?
スマホのゲームでもしてるのか、星野くんは一度も顔を上げることなく、授業開始のチャイムが鳴った。