好きだと思うんですがっ!?
「なぁ、それ、もう冷めてんじゃね?」
「えっ、ちょうどいい温度だよ? 飲む?」
サラッと出た言葉に、星野くんはちょっとだけ面食らったような空気を放った。
それはほんの一瞬だけ。
だけどそんな空気もあたしは見逃さない。
「いいのか? じゃあひと口……」
そう言ってあたしからそれを受け取る時、また指先が触れた。
けど、今度は弾まなかった。
弾んだりしないで、しっかりとあたしの指に触れながら、星野くんはそれを受け取った。
「……ぬっる」
なんて言って、ほんの少しぺろりと舌を出す。
「ぬるいし、甘いな」
「あたし、猫舌だから」
「なんだ、それを早く言えよ。そもそもの感度が違うじゃんかよ」
星野くんは星を散りばめて笑ってる。目を伏せながら微笑んでる。
星野くんから缶を受け取る時、あたしはなぜか指が触れないよう慎重にそれを掴んだ。