好きだと思うんですがっ!?
「おら、星野! 部活中にバド部の女子とイチャつくとか何様だお前」
ペシッ、と軽い音が星野くんの頭から鳴った。
バスケ部の先輩であろう人が星野くんの頭を叩いた音だ。
「イチャついてなんかないっスよ」
星野くんは叩かれた頭を掻きながら、ふくれっ面でそう言った。
そしたらまた頭を叩かれた。
「うっせ! 言い訳すんじゃねーよ。俺なんて彼女と別れたばっかだっつーのに見せびらかしやがって……」
先輩は泣き真似しながらもう一度、星野くんの頭を叩いた。
星野くんも文句言いつつやられてる様子を見ると、きっと先輩と仲がいいんだろうな、って思う。
「見せびらかすも何も、こいつ彼女とかじゃないっスから」
「嘘つけ! 鼻の下伸びてたぞ」
「嘘じゃないっスよ! ほら先輩、次俺らの出る試合っスよ。早く行きましょ!」
まだ何か言い足りなさげな先輩の背中を押しながら、星野くんはあたしのそばから離れてく。
一度も振り向く事なく、彼はコートに入って行った。
その後ろ姿が、どこか照れている様に見えたのはあたしの勘違いだろうか。