好きだと思うんですがっ!?
「まさか。だって私、彼氏いるよ? って、あれ? 言わなかったっけ?」
「えっ、そーなの⁉︎」
知らなかった。いつの間に……。
「だから私は別に星野くん好きって訳じゃないけど……、でも星野くんって何気に人気あると思うから」
「マジ? 知らなかった……」
いや、そんな気は何となくするんだけどね。
だって星野くん運動出来るし(今も隣ではバスケの試合してるけど、星野くんめっちゃ活躍してるし)、優しいし、顔だって全然悪くない。
だけど、女子とは話すイメージないからか、ちょっと近寄り難い人って思われてると思ってた。
あたし以外の女子からは……。
「確かによく見たら女バスの視線がピンクだね」
男女混合で練習してるバスケ部。その女子の視線の先を追ってみると、やっぱりお目当の相手を見つめてる。
相手が動けば自ずと視線も動く。
その内の何人かは星野くんを見てる事に気付いて、あたしの心の中にちょっと誇らしい気持ちが生まれて、その意味を理解した時、今度は恥ずかしさが生まれた。
「真実、打ち合いしよ!」
あたしはそう言ってストレッチを切り上げ、ラケットと羽を持って空いてるコートに向かった。