好きだと思うんですがっ!?
寒さも忘れるくらい、あたし達は追いかけあう。
なんならじわりと背中が汗ばんできてるのを感じるほどだ。
「浮田、本当に危ねーって。いい加減止まれよ」
「星野くんこそ止まったら? そしたらあたしも止まるよ」
電車がホームに入ってくる合図の音楽、鉄琴を叩いたような軽快な曲が流れ、あたしの背後ではプォン! という電車が鳴らす警報が聞こえた。
その警報が鳴った直後に、階段を上がってきた駅員さんが叫んだ。
「こらー! 危ないぞ!」
その声にびっくりしたあたしは、後方にいる駅員さんに振り向いた瞬間、黄色の点字ブロックの上で体のバランスを崩してしまった。
あっ……、やばっ……。
迫る電車の存在をすぐ側に感じた。
と、同時だった。