【超短編】それでも私達は
私たちの学校の部員数は、9人。2桁にすら満たない人数。
そんな私たちがなぜここにいるのかと言うと……実は県大会に出場したのが私たちだけだったからだ。
とはいっても、私の学校は県大会は突破するほどの実力を持ち合わせているから、どっちにせよ、この大会には出場することになっていただろうけど。
だとしても、やっぱり不安をぬぐい切れないのは確かで…
あっという間に、リハーサルへ行く時間がやってきた。
ホールを出て、エントランスへ向かう。
まだ少し時間があるからと案内をする補助員のおばさんがみんなに何か話しかけていたけれど、私はそんなことすら気にならないほどに緊張していた。