【超短編】それでも私達は
後日、部活のために学校へ来ていた時のこと。
「ねえねえ、みてこれ!これってうちの学校のことじゃない?」
そう言ったのは同じ学年の奏乃ちゃん。
「え?」
奏乃ちゃんの持つスマホに映っていたのは、つぶやくアプリにあったある投稿。
『昨日九州大会の放送見てたんだけどさ、少人数であそこまでの声量とまとまり…すごいね』
私は胸が熱くなった。賞に入らなくたって、私たちのことを見てくれる人はいる。
さらに先輩も、
「ねえこれ!『こうめいかん高校ってすごいね』だって!」
そこにいたみんなに笑顔が広がる。きっとみんなの気持ちは同じだ。
頑張ってよかった、このメンバーで出ることができてよかった、
―――合唱をやっててよかった。