もしもこの世界に、“色”というものがなかったら
chapter1
色のない世界
「起立、気をつけ、礼」
「「「さよなら~」」」
終礼が終わった。
さっきまで静かだった教室が、一気に騒がしくなる。
みんながこの後の予定を立てたりする中、私は一人、一言もしゃべらずに支度をして帰る。
と言っても、まっすぐ家に帰るわけじゃない。
まあ、特に用事があるわけでもないけれど。
メニュー
色のない世界