アラビアンナイト
私と忍ちゃんは、たいていの日はお弁当を持ってきているので、教室だったり中庭だったり、時には屋上だったりと、その日の気分で食べる場所を決めている。
「忍ちゃん、今日はどこで食べようか?」
昼休みになってすぐに、お弁当片手に忍ちゃんのもとへ駆け寄った。
早く教室を脱出しないと大変なことになりそうなんだもん!!
それなのに、焦る私とは反対に、忍ちゃんはいつも通りの落ち着いたままで。
「今日はどうやってもギャラリーが集まってきちゃうと思うから、かえって中庭がいいかもね」
「えっ!!」