アラビアンナイト


ふらりと中庭を離れて、校舎の影になっている倉庫へと向かった。

ここは、体育倉庫でもなければ授業に使うものが置いてある倉庫でもないらしく、多分、ガラクタ入れ?

だから滅多に人が来ないし、校舎からも中庭からも死角になっているので、本当に1人になりたいならぴったりの場所だと思う。


倉庫の入り口の小さな段に腰掛けてぼんやりと遠くを眺めた。

ジェイクとセリム君が来てまだ数週間なのに、もう何ヶ月か経ったくらいの疲労感がある。

だいたい私の性格からして、あんな王子様的存在の男子とお昼を一緒に過ごすこと自体がアリエナイ。







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