アラビアンナイト
朝からどころか、夏休み前からテンションMAXで騒いでいた小学1年生の弟の翔(しょう)は、中継地点になっていたクアラルンプールで飛行機を乗り換える頃には、完全に力尽きてしまった。
のんきな我が弟は、次に乗る飛行機の搭乗案内が始まるまでの間、ベンチに座るお母さんの膝を枕にして爆睡中。
お父さんとお母さんは、添乗員さんから渡された”現地の旅行案内”とかいう冊子を広げて、仲良く盛り上がっている。
・・・正直、私は一人で暇を持て余していた。