アラビアンナイト


「ありす、カワイイ」

その言葉に、一気に顔に熱が集まる。

赤くなっているであろう顔を隠すために、とっさに俯いた。

「ありす、アレ、これからはずっとここにつけてて」

うつむく私の手を軽く引っ張ると、手首を指差しながら声を潜めて言われた。

「う、うん、わかった」

腕輪のことだとわかったので、すぐに返事をした。
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