アラビアンナイト


実は、席を離れる時、ちょっとだけ前の席を見た。

相変わらず斧田さんがジェイクに話しかけてたけど、ジェイクは相槌を打ちながら、フォークで上手にご飯を食べていた。


なによ、だったらお弁当を食べる時もそうすればよかったのに。
そうすれば、私が毎回あんな恥ずかしい思いをする必要もなかったんじゃない!?

って思ってるのは建前で、本当は

私の役割を斧田さんにとられなくてよかった。
ジェイクにご飯を食べさせるのは、私じゃなくちゃ嫌。
他の誰もジェイクにあんな風に接しないで

って思ってることに気づいてしまった。
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