アラビアンナイト
「私の父が貿易関係の会社をしてるの。
最近は中東との取引も多くて、UAEへの出張も結構頻繁だからジェイク君のお国事情にも詳しいのよ」
一気にまくしたてられたジェイクはというと…。
「…ごめん、ニホンゴむつかしい」
うん、そうだろうね。
「つまり!うちのパパはジェイク君のお家のことをよく知っているの!」
勢いをくじかれたにもかかわらず、その子は気丈にも言ってのけたらしい。
「それでオレのことを?」
「そう。UAEからの転校生なんて珍しいし、名前が…ジェイク君の名前、最後がサウードでしょう?
パパに言ったらすぐに”サウード王の息子だ” って教えてくれたわ」