アラビアンナイト


「あの時の私…動くに動けないし、心の底から”誰か助けて” って思ったの。もちろん、ジェイク君が助けてくれたのは嬉しかったんだよ?でもね…」

言いにくそうにする佐々木さんの代わりに、思ったことを言ってみた。

「そういう気持ちなんとなくわかるかも。
恥ずかしくて、どうしていいかわからなくて。
本当に自分1人じゃ身動き取れなくなっちゃったりするよね」

ふと、あの時の佐々木さんと、ショッピングモールでジェイクと目が合った時の自分が重なる気がして、いつの間にか

「うん、うん」

とうなずいていた。
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