アラビアンナイト
どうやら私は、そのあともお湯に浸かって1人でひたすらぐるぐる考えていたらしい。
忍ちゃんに
「早く上がらないと、次のグループが来たわよ」
って言われるまで、ずっとお湯に潜るような感じでどっぷり浸かったまま。
で、せっかくの露天風呂に行けずじまい。
忍ちゃんに言われて大急ぎでお湯から上がって服を着た。
「あら、それ、この間の…」
忍ちゃんが私が着た服に気づいて少し目を細めて笑った。
でも、斧田さんが近くにいたからか、”ジェイクに買ってもらった服” っていうことは、お互い口に出さなかった。
それでも、忍ちゃんが意味深に微笑むものだから、お風呂上がりの火照った体が、さらに熱くなった気がした。