アラビアンナイト
「ジェイク、悪いけどあんまり時間がないからドアの所まで行ってちゃちゃっと用件済ませちゃって」
男子部屋に乗り込んだ勢いそのままにジェイクに言うと、何か言いたげに私の顔を見ていた彼の背中を強引にドアの方へと押した。
そのあと、残る男子のほうをもう一度見た。
「言っとくけど、今回は告白じゃないから。
用事もすぐに済むし。
私たちがここにいるのが先生に見つかったら面倒だから、あんまり騒がないで。
お願いだから、ちょっとだけ静かにしてて」
お願いしてるわりには上から目線の言い方になったけど、誰からも突っ込まれなかったからよしとしよう!
1人で踏ん反り返って納得していると、奏太が私の前に立ちはだかった。