アラビアンナイト


私と部屋にいる他の男子との間に立ってるというか……やっぱり立ちはだかっているというのがピッタリな感じ。

おかげで奏太の胸あたりしか視界に入らず、他が何にも見えない。

至近距離に腕を組んだ奏太が立っているせいで、部屋にいる他の人が見えなくなった。

「???奏太?なんか近いよ?」

奏太と目を合わせようとしても距離が近いから、いつもはしない角度まで首を後ろに曲げなくてはいけない。
完全に大人を見上げる子供の気分だ。

そんなことをつらつらと考えながら奏太を見上げると、私を見ていた奏太の目がふいっと逸らされて…

「はぁ〜〜、あのさ…」

と長いため息をつかれた。
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