アラビアンナイト
お風呂でちゃんと洗ったつもりだけど、お風呂から部屋まで急いで移動したし、汗をかいて臭いのかも!!
思わずそのまま一歩後ずさりながら、自分の体の匂いを確認していると、今度はさっきより長~いため息が奏太の口からこぼれ出た。
「あのね、ありす。
何を考えているかのだいたいの察しはつくけど。
それ、違うから」
「へっ!?」
「むしろお風呂上がりの良い香りしかしないというか…」
後半のボソボソと呟く声がすごく小さくて、うまく聞き取れなかった。
「えっ?なに?」
「…なんでもない」