アラビアンナイト


かと思うと腰に手を添えられて、そのままぐるりと体を反転させられ、

「へっ?えっ??」

っていう間抜けな声しか出せない私の身体はぐいぐい押されて、あれよあれよという間に部屋の外に出された。


だから、Tシャツを受け取って部屋に入ってきたジェイクが、私と向き合って立つ奏太の顔が赤いのを見て眉をひそめたこととか、

奏太が照れてる隙にジェイクが後ろから抱きしめるみたいに私の肩に腕を回したこととか、

密着する私とジェイクを見て奏太が思わずジェイクを睨んだこととか、

ジェイクに部屋から連れ出される私の後ろ姿を奏太が拳をギュッと握って見送っていたこととか、

その一部始終を部屋にいた男子達がハラハラしながら見ていたこととか…

そのどれもを私は見逃したのだった。

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